第二次世界大戦で有名な真珠湾は、現在でもアメリカ海軍の太平洋艦隊司令部が置かれていて、アメリカ海軍の最大級の基地の一つとして機能しています。ハワイ州は地理的に見てみると、南北アメリカ大陸、ユーラシア大陸、オーストラリア大陸の各海岸線に囲まれた太平洋のちょうど中心部に位置しており、アメリカ軍の全世界戦略においては、太平洋地域全体を見渡せる重要な位置にあります。

太平洋西部は日本の横須賀、太平洋東部はカリフォルニア州サンディエゴにそれぞれ大規模な海軍基地が置かれており、ハワイの太平洋艦隊司令部を中心に、太平洋全域に睨みを効かせている構図が分かります。このようなアメリカ海軍の基地展開は大西洋やインド洋でも行われており、広い大洋のどのエリアであっても即応できる体制を取っていることがアメリカ海軍の抑止力となっています。

また、ミサイル防衛においてもハワイの地理的な位置は非常に重要です。西欧諸国との関係が良好なアメリカは、主に自国の西岸側からのミサイル攻撃を防御することに重点を置いており、この場合、弾道ミサイルがアメリカ本土に達する前の海上通過段階で迎撃することができるハワイ州のミサイル基地は、ミサイル防衛構想においてなくてはならない存在なのです。

日本軍による真珠湾攻撃

1937年、第1次近衛文麿内閣の時、日本は盧溝橋事件を契機に日中戦争を起こすと、国際関係をいっそう悪化させていきました。そして日本は、1940年にイタリア・ドイツと日独伊三国同盟を結んで戦争体制を整えると、世界は第二次世界大戦の渦に巻き込まれていきました。こうしたことを背景に、1941年に起こったのが日本軍による真珠湾攻撃であったのです。

日本軍は、アメリカやイギリスとの関係を複雑化させており、東南アジアや太平洋を侵略する南方作戦を行おうとしていました。本来の目的はオランダ領東インドでの石油資源の確保であったのですが、それにあたり太平洋を制圧しておく必要がありました。「瑞鶴」や「赤城」といった軍艦をもちいて訓練を行い、「ニイタカヤマノボレ一二〇八(ひとふたまるはち)」という暗号電文を合図に、攻撃を開始したのです。日本軍は、アメリカ軍の不意をついたために真珠湾攻撃を成功させただけではなく、西太平洋海域の制海権を得て、南方作戦の成功を導いたのです。

しかし、日本軍による真珠湾攻撃は第2次世界大戦を拡大させただけではなく、のちの日本軍の疲弊を招き、サイパン島陥落と沖縄での陸上戦、そして日本の敗戦を水面下で用意したのです。